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8月号 平成16年8月発行
 
史上最高ではないかと言われるような、暑い日が続いています。

東京で昨年行われた「大江戸打ち水大作戦」、今年は東京以外でもかなり広まりつつあるようです。水道水を使わないで雨水やお風呂の残り湯等を使い打ち水する。これで昨年は墨田区で温度が約1℃下がったそうです。かなりの効果だと思います。今年の打ち水大作戦は8月18日〜25日です。

最近読んだ雑誌に京セラ名誉会長の稲盛和夫さんと作家の五木寛之さんの対談がありました。その中の一部で五木寛之さんの話が、私にはとても印象的でした。その一部を記します。
 
五木氏
 
「数年前の『中央公論』に、東大の鈴木博之さんという建築工学の先生が、戦後日本の建築工学の発展は「湿式工法」から「乾式工法」への大転換にあったと書かれています。

昔は、家を建てている前を通りかかりますと、鉄板の上にセメントの粉をわっとあけ、そこへ砂利と砂を入れてこね回しておりました。壁土を練るとか漆喰を作るとか、水を多量に使って家を建てていたんですね。それが五十年の間に、コンクリートは工場で作って持ってくるようになり、壁土を使わないでベニヤ板にビニールの壁紙を貼るようになり、さらにアルミサッシ、プラスチック、軽金属、ガラスなどを使って、1滴の水も使わずに一軒の家が建つようになった。それを「乾式工法」というのだそうです。

僕は、乾式へ大転換をしたのは建築だけでなく、教育にしても、医療にしても、あらゆる分野でそれが当てはまると思うのです。僕たちはいま、完全な乾式社会の中に住むようになった。

1滴の水分も、さっき言った情なんていう水分の存在しないところで生まれ育つようになった。そうなると、心の中まで変わってくるのは当然だと思うんです。

水分を含んでいるものは重いけれども、乾いたものは軽い。だから、乾式の社会は軽い社会であって、その中で心が乾けば、命が軽くなるということにもつながってくる。困った時に簡単に自分の命を放り出す、あるいは他人の命を奪う。こういうことも、心が乾いているということからくるのでしょう。

ですから僕は、そういうすべてが乾燥しきって水分がないところへ、オアシスの水を注ぐ必要がある、日本人の渇ききった心に井戸を掘って、水分を含んだみずみずしい心を取り戻す必要があるのではないかと思うんです。」

いかがですか、日本人の心にも、いや戦争や紛争がおきている世界中の人々の心に「打ち水大作戦」が必要なのかもしれません。
 
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